奈義町荒内西　落雷被害による大棟の修理　大屋根南側の大棟の部分修理　巴瓦　袖瓦　破損

落雷を受け、大棟部分の巴瓦と袖部が破損していました。赤く囲んだ部分の棟を解体して、部分修理になります。

破損部分を解体し、屋根地を整えていきます。新しい防水紙を張り、瓦を留めるための桟木を取付けます。

大棟の施工部分となる際まで桟瓦を葺きます。棟の荷重を受け止める役割と、雨水の流れをスムーズにする機能を兼ね備えており、特に「際（きわ）」部分は、棟との取り合いが複雑になるため、丁寧な施工が求められます。青い四角は棟の骨組み部分を担う耐震ボルト、黄色の矢印の銅線は鬼瓦を固定する為のものです。

台土を成型して、棟の土台を作り、その上にのし瓦を積んでいきます。黄色の矢印は被覆鉄筋と呼ばれ、棟の骨組みの横筋の役目をします。

耐震ボルト(青い四角)と被覆鉄筋(黄色い矢印)は、棟の内部構造を支える“芯材”という方がわかりやすいかも知れません。棟瓦やのし瓦などの外側の仕上げ材をしっかりと固定し、地震や強風などの外力に耐えるための構造的な支柱・補強材です。

被覆鉄筋は1・3・5段というように一段飛ばしの要領で設置していきます。この施工方法は、構造的な安定性と耐久性を確保するためです。

特に大棟は屋根の最も高い部分で、風圧や地震の揺れなど外的な力を受けやすい場所。そこで、1・3・5段目に被覆鉄筋を配置することで、力の分散と荷重の均等化が図られます。

さらに、耐震ボルトと被覆鉄筋を緊結することで、のし瓦などの屋根材をしっかり固定できるようになります。これにより、荷重がバランスよく支えられ、屋根全体の耐震性が向上するのです。

今回は、7段目に雁ぶり瓦を被せるので、6段目にも被覆鉄筋が入ります。この被覆鉄筋には、雁ぶり瓦を固定する為の緊結線をくくります。

大棟の一部解体修繕が完成しました。鬼瓦の際の漆喰も塗られ、美観も復活です。