奈義町皆木 雪害修繕工事 壁際修理 窓の下のし積み 漆喰補修 長屋
奈義町皆木 雪害修繕工事 壁際修理 窓の下のし積み 漆喰補修 長屋
壁際の のし積みは、壁と屋根の取り合い部からの雨水の侵入を防止するために施工される箇所です。特に横殴りの雨や風圧を受けやすい外壁際では、のし瓦の立ち上がりが雨水の「返し」として機能し、雨漏りを防ぎます。漆喰仕上げと併用して、さらに防水性能の高い施工になります。


長屋、下屋根の壁際です。漆喰が剥がれていたり、ひび割れている所に新たに漆喰を塗って補修しました。
窓のある壁際は、新しくのし瓦を積み直す修理になります。
壁際ののし積みは、瓦屋根や和風の建物で重要な雨仕舞い(あまじまい)としての施工はもちろんのこと、装飾の一部としても採用されてきました。見た目にも美しく仕上げるための積み上げ工法になります。


窓の下ののし積みは、既存の瓦を解体して、新しいのし瓦を積んでいきます。古い漆喰や中の台土を取り除いて、壁際の屋根地を確認します。


新しい防水紙を増し張りして、赤い矢印の桟木を取付け、一度剥がした平部の瓦を葺き直します。剥がした瓦には古い台土の跡がついているので、職人が一枚一枚、ワイヤーブラシ(青い矢印)を使ってきれいにしてから葺き直します。



窓枠の下に木材を打ち付け、そこにビスを取付けます(赤い丸印)。ビスにはステンレス線を結び、このステンレス線で、のし瓦を固定します。のし積みの土台を台土と漆喰を使って作ります。雨水が壁際から建物内部に侵入しないように、平部の瓦の際と、壁の接地面を土台でしっかりと塞ぎ、のし瓦を積んで立ち上げることで、水切りの役割を果たします。

窓枠の下の部分はのし積み一段でおさめます。黄色い矢印の緊結線によって、建物とのし瓦が固定されています。


既存ののし積みを解体して、窓枠の下と同様に1段目を積みます。黄色い矢印は緊結線で、赤い丸印は2
段目ののし瓦を緊結するためのビスと緊結線です。
窓の下部にはスペースが限られるので、のしを二段積むとサッシ下枠との取り合いが干渉してしまいます。そのため、窓枠の下はのし1段、そのほかの壁際はのし2段で施工させていただきました。


のし積み二段目です。緊結線で固定し、台土で整えます。形を整えたら、台土の上にプライマーを塗布し、この上に重ねるセメントとの接着力が上がるようにします。


セメントを重ねて、さらにその上に漆喰を塗ります。赤い矢印がのし積み1段の部分。青い矢印がのし積み2段の部分です。

窓枠に干渉することなく、すっきりした壁際の収まりになりました。