建物との接合部で雨漏りを防ぐ　袖部の溝を板金で塞ぐ雨仕舞工事

隣の建物と屋根が接しており、袖部が壁際になっている少し複雑な形状でした。
屋根の袖部にはコンクリート製の溝が設けられ、そこを雨水が流れて(青い矢印)谷部へ排水される構造になっていましたが、接合部の躯体に段差が見られ、黄色の丸印の箇所に落ち葉などのゴミも溜まりやすく、雨漏りリスクが高い状態でした。

そこで、確実に雨水が排水されるように、袖部のコンクリート溝に板金を被せて塞ぐ雨仕舞にしていきます。赤い矢印の木材が、板金を被せるための土台になります。

土台の木材に、さらに樹脂製の部材(赤い矢印)を固定します。樹脂ですので、水に強く腐食の恐れはありません。樹脂と瓦との隙間はスポンジ(黄色い矢印)で塞ぎます。このスポンジがあることによって、雨水が壁際に溢れることを防ぐと同時に、虫や小動物の侵入も防いでくれます。

溝全体にガルバリウム鋼板(黄色い矢印)を被せ、壁際と流れ方向に水返し（立ち上がり）を形成します。
赤い矢印のコーキングは、壁にも板金を被せるので、接着剤と止水の役割をします。

これで、溝内へのゴミ堆積や滞留が解消され、雨水は板金上をスムーズに流れて谷部に排水されるようになりました。

隣接建物との接合部や袖部は、雨仕舞が最も難しい部分のひとつです。
特にコンクリートの溝構造は、一見頑丈に見えても経年で水が滞留しやすく、雨漏りの原因となることが多いです。板金によるカバー工法は、軽量・耐久・美観のバランスが取れた最適な改修方法といえます。

同様の屋根形状や接合部の雨漏りでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。